
医師には病気やケガのわかりやすい説明が求められる
患者の視点から医師に希望していることは、もちろん病気やケガを治療してくれることに他ならないです。
そのために患者は病院へ行くわけですから、まずは病気やケガを治してくれることに大きな期待を寄せています。それは当たり前なのですが、その次に期待をしているのが病気やケガに対するわかりやすい説明です。
患者の立場からすれば自身がどうしてそういう症状になってしまってしまったのか、それを明らかにしておきたいという気持ちを少なからず持っています。その理由がはっきりしている時はたいして疑問を抱かないのかもしれませんが、そうでない場合は気になってしかたがありません。
そういう時に医師がきちんとしたわかりやすい説明をしてくれるか否かで、患者の気持ちはまったく違ったものになります。
つまり、医師には患者に対して病気やケガの説明をする能力が求められているのです。例えばめまいや頭痛がするという理由で患者が病院を訪れた場合、どうしてそうなっているのかを患者は医師から説明を受けて知ろうとします。
ですが医師はそれを説明する事に対して長い時間をかけられませんので、手短にわかりやすい言葉で伝える必要があります。その説明で患者が納得してくれないと質疑応答がいつまでも続いてしまうので、それだけ診察時間は長くなってしまいます。
一人一人の診察時間が長くなる事を好む患者はあまりいませんので、病気やケガに対する説明の時間はなるべく短いほうが良いのです。患者が自身の症状について知りたいと思うのは自然な感情なのでそれを無視する事はできませんから、医師のほうで上手く対応をしていかなければならないのです。そのとき、医師は患者を安心させるように説明していく事が大事です。
事実を湾曲して伝えるのはダメですが、言い方に気をつけて言葉を選びながら説明していくのがベストです。
同じことを説明するにしてもそれに気をつけるか気をつけないかでだいぶ違いますので、その点を医師は意識すると診察の充実度がガラリと変わります。それはどちらかと言えば医師としての直接的な能力というよりはコミュニケーションスキルの能力になってきますが、それが医師の診察において重要なスキルになってきます。
患者が自身の病気やケガについて納得できなければ不満が残ってしまいますし、それは治療過程においても同様です。
つまり医師はただ単に患者の治療にあたれば良いというものではなく、上手く説明することも含めて仕事なのだといえます。